SI単位
 
 ここでSI単位全てを解説するのは無茶であるからしない。
 そんなんは参考書やSI単位について書かれた本を読むに限る。
 なぜなら、もし掲載するとしてもどれかを丸写しする事になるからであり、
  私は学者じゃあないので自らの観点で 語るとしても知識がない。
 
 それなら何を講義するかと言えば各資料から面白いまたは覚えていて
  欲しい部分をピックアップしているのである。

 ☆7つの基本単位
   定義について
    これらの単位の定義がは全て物理量を定義しているのではなく、「単位」そのものを
    定義したものです。
    例えば、kgは物理量の国際キログラム原器によって定義されますが、それは定義
    であって原器の質量がどう変化しようが定義は不変なのです。
    極端に言えば原器の質量が倍になっても1kgなのです。物理的に世の中の重量が
    混乱を起こそうと、定義は変わりません。他の単位についても同じ事が言えます。

   
長さ  
メートル
 最初の定義:地球の海面上の子午線において、北極から赤道 
         までの長さの4000万分の1
 近代の定義:国際メートル原器
 最新の定義:メートルは、1秒の1/299792458の間に光が 
         真空中を伝わる行程の長さ
質量 kg 
キログラム
 最新の定義:キログラムは、質量の単位であってそれは 
         国際キログラム原器の質量に等しい。 
 (参考:原器所在・・パリの国際度量衡局 
      日本では茨城県つくば市の 
      独立行政法人産業技術研究所に日本国キログラム原器 
      (副原器 第2標準)があり、30年毎にパリにて検定。 
       1988年に検定実施 次回は2018年予定。 
       メートル条約加盟国52ヶ国の内、40ヶ国に副原器配布。)
時間  
 最初の定義:1平均太陽日の86400分の1
 最新の定義:秒は、セシウム133の原子の基底状態の 
         2つの超微細準位の間の遷移に対応する 
         放射の周期の9192631770倍の断続時間 
         である。
電流 A 
アンペア
 初期の定義:アンペアは、硝酸銀の溶液を通過し、毎秒 
         0.00111800gの銀を分離する不変の電流
 最新の定義:アンペアは、真空中に1mの間隔で平行に 
 (直流)   置かれた無限に小さい円形断面を有する 
         無限に長い2本の直線状導体のそれぞれ 
         を流れ、これら導体の長さ1mごとに 
         2×10-7乗Nの力を及ぼし合う一定の 
         電流である。 
 最新の定義:交流の電流においては、前項のアンペアで 
 (交流)    表したその電流の瞬時値の2乗の1周期 
          平均の平方根が同項のアンペアに等しい 
          電流である。
温度 K 
ケルビン
 最新の定義:熱力学温度のケルビンは、水の三重点の 
         熱力学温度の1/276.16である。 
    (注意:セルシウス度<°C>への換算は273.15です)
物質量 mol 
モル
 最新の定義:モルは、0.012kgの炭素12の中に存在する 
         原子の数と等しい数の要素粒子を含む系の 
         物質量である。 
         モルを用いるときは、要素粒子が指定されな 
         ければならないが、それは原子、分子、イオン 
         、電子、その他の粒子またはこの種の粒子の 
         特定の集合体であっても良い。
光度 cd 
カンデラ
 初期の定義:白金の凝固点における黒体の1/600000平方mの 
         平らな表面の垂直方向の光度を1cdとする。
 最新の定義:カンデラは、周波数540×10の12乗ヘルツ 
         の単色放射を放出し、所定の方向における 
         その放射強度が1/683ワット毎ステラジアン 
         である光源のその方向における光度である。
  
  たった7つでも定義を理解し何ができようか?取り敢えず、「こう定義されている」
  と説明する以外に私に出来る事はない。
  定義はその時点では不変であるから、他の理解を産むものではない。  
 
  余談:メートルの奇妙な定義
      最新の定義は上の表にある通りなのですが、その定義の基となる光の速度について
      「真空中の光の速さを299792458m/sで一定とする」事を取り決めているのです。
      これって変ですよね?光の速度単位にmが使われています。
      mを定義するのに使われたmとは何のことでしょうか?
      それは、メートル原器です。
      このmの定義は端的に言いますと、メートル原器を理論的な不動の形に変えたと
      言う事です。メートル原器を元に導き出した光の速度でメートル原器を表す。
      結局、メートル原器がこの世から消えると光の速さが決まらないと言う摩訶不思議
      な定義であるわけです。が・・どの資料にもその指摘は見当たりません。
      不動の自然界にある大きさに対して光の速さを定義する日は来るのでしょうか?
      メートルは宇宙人には理解不能な単位と言えます。

  余談:質量が原器を離れる日
      その定義は不変であるけれど、定義自体は時代と共に変遷しています。
      メートルも1960年までは原器による物理量でした。
      同じように質量の定義が物質量を捨てる日が来るはずなのですが、何時に
      なるのかは不明です。
      質量1kg・・と言うのは地上にいて実感が沸きません。1kgでピンと来るのは
      日常では重量ですし、取り敢えず生活は重量で十分やっていけそうです。
      しかしながら地球を離れた商売が始まった場合は質量で取引しなくては
      ならないでしょう。
      そう考えると、やはり理論的に・・・出来れば何処にいても再現可能な1kg
      の単位を考えて頂きたいところです。
      資料によれば、何種類も理論の構築はなされているらしいのですが、どれを
      選択するのか、または更に新しい理論を構築しようと試みてるようです。
      近い将来、現在使っている資料が使い物にならなくなるでしょう。

  余談:メートル法は長さと質量のみ
      フランスでメートル法が構築されたとき、mとkgしか定義はありませんでした。
      メートルもキログラムも10進法です。10進法はメートル法の基本です。
      時間の秒が議論された時、問題は<秒>の生まれた経緯にありました。
      1年は変えられない不変の長さと考えると、それを何等分にするかで
      議論があったようです。
      例えば1日は24時間、1時間は60分、1分は60秒ですから10進法にならえば
      現在の1秒の長さを基準とするには問題があると言う事です。
      もしかしたら現在は1日86400秒ですが、1日100000秒と定義されていた
      かも知れません。15%も速い1秒だと、あわただしくて心臓がギブアップ
      しただろう事は予想できます。
      人類文化史5000年の時間観念を変更する事は叶わなかったようで、
      1日10時間 1時間100分 1分100秒とかにはなりませんでした。
      そう言えば角度も90度でしたから、こちらはrad(ラジアン)で定義
      されました。お蔭で換算がいちいち面倒であります。
      実生活でラジアンにお目にかかる事はまずありません。
      先日歯車の講義でいきなり57.29°と言う角度が出てきて面くらいました。
      計算式がradに変換して計算しなくてはいけない式だったのですが
      何の前触れもなく突如現れた見慣れぬ角度に唖然・・・。
         1rad=57.29°
      身に染みました。
      
      
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