今のSSラリーとWRCのTCラリーとの違いについて
 ☆日本の経緯
   元々オンタイム・ラリーが主体となっていた(現在の5条ラリー)もので、
   当初WRC形式のSSラリーを開催する場合に於いても、この規定に
   外れること無く開催方式を作った。
   よって、6条が出来る前はレッキを必ずしなくてはならないとかのルール
   も強制的にはなく、各クラブが独自に設定する事が出来た。
   
   レッキについては、手間を省く為に、SSを撮影したVTRをエントラントに
   配布し、試合までにレッキノートを作成する事を謳ったクラブもある。

   ここで、試合の流れについて、現在の6条が抱えるポイントをひとつ指摘したい。

   オンタイムラリーはスタートしてから各チェックポイントを通過し、都度チェック
   で誤差は0になる。
   秒計ではSSゴールは秒からスタートだが、秒計を元にしたSSラリーは
   SSゴールからスタートせねばならず、SS以外は分計だから普通ゴールタイム
   の時分プラス1分がゴールチェックのスタート時間として与えられる。
   (ゴールの秒は切り捨て)

   ここで何が起きるか・・と言うと、極めてゴールタイムが00秒近い場合、
   例えば3号車が10時30分05秒に入ったとしよう。与えられるスタート
   時間は10時31分00秒となる。
   1分間隔で走行するから、次の4号車が10時30分55秒で入るとする。
   与えられるゴールスタート時間は同じ10時31分00秒となる。
   これは、次のチェックに同時に入らなくてはいけない事を示している。
   分かり易くする為に2号車のゴールが10時28分50秒で、与えられた
   SSゴールスタート時間を10時29分00秒だったとする。
   
   次のTCに入るのに指定所要時間が30分とすれば
   2号車は10時59分
   3号車と4号車は11時01分である。
   TCでチェックしてから3分以上後にSSスタートであるから、2号車を
   3分後の11時02分にスタートさせたとすると。
   3号車は11時04分のスタートとなる。

   TCを同分に入った4号車であるが、SSスタートは1台づつ1分毎
   であるから4号車のスタート時間は11時05分となる。

   11時03分にスタートする車はいないので、1分試合スケジュールが
   遅れる事になる。
   
   このような車の関係が中に5箇所あれば、黙って5分遅れる事になる。
   サービスのイン・アウトも何もかも全て遅れのまま進むのである。

   8箇所のうち4箇所で同様の事が起れば、何も問題無く進行している
   試合なのに、黙って20分の遅れを抱える事になる。

   この方式が6条でも生きていて、実際行われている。

 ☆TCラリーの考え方
   これに対してTCラリーはTCからTCまでの余裕を持った時間の中に
   SSが入っているだけである。

   どう言う事かと言うと、元々TC-TC間は設定走行時間がかなりな
   余裕を持って、道交法の制限速度に信号などの停止時間等々を
   加えて設定されている。

   例えば通常の制限速度プラス15分とすれば、SS内でパンクをして
   交換に10分かかっても、通常移動すれば余裕で次のTCに順番
   通りに入れる事になる。
   後ろに追いつかれようが、前を追い越そうが、SS内の時間は
   殆どの場合、移動区間の余裕で消えるのである。

   SS内でスタックし、這い出すのに16分かかってしまい、TCに
   1分遅れたとしよう。
   早着は1分60秒の減点だが、遲着は10秒の減点で済む。
   交通違反で慌てなくとも、遅い分には優しい設定となっている。

  PS)もっと分かり易い例を上げます。
     オンタイムラリーではSSの中で2台にオーバーラップされた
     場合、ゴールタイムは抜かれた2台の後ろになるので
     SSゴールからのスタート時間も遅れるので、次のチェック
     へ入る順番も入れ替わったままで進行してしまいます。
     2号車が3号車と4号車に抜かれた場合、それ以降
     3-4-2の順番でラリーは進む訳です。
     次のSSで5号車にも抜かれたとすると、3-4-5-2です。
     しかし、TC-TCラリーではSS中に何台に抜かれようが
     次のTCに時間通りに入りさえすれば元に戻ります。
     なぜなら、TCに入る時間はアイテナリーによって決定されて
     いるからです。
     何の要因も無しに、順番が狂う事は無いのです。よって、
     数台前に割り込まなければいけない状況、又は後ろに
     下がらなければならない状況自体が在り得ないので
     そんな場面に遭遇したら、自分の計算が間違っている
     可能性が非常に高い訳です。
     選手同士で騙しあいは無いはずなので、他の車にTC
     チェックイン時間を確認する必要があります。
     タイムによるリ・グループ(順番入れ替え)が行われない
     限り前に遅い車がいた場合、後ろの車はラップし続ける
     事になります。
     次のTCでは、また前に必ず来ますから・・。
   
 ☆6条もTC-TCラリーになるべき
   TCからTCの考え方が今までの規定になかったからと言って
   受け入れられない規定とは、どうしても思えない。
   実際にAPRCやWRC・JPRCは日本で現在行われている。
   一部のクラブしか経験していないと言う事でもないはず。

   りグループで若干の遅れた時間を取り戻す事も出来る訳で、
   かなりな確率でスケジュール通りのオーガナイズが可能となる。

   PS) 2006年はTC-TCになると言う話を聞いた。
      本当ならGOODである。

   PS) 2006年から、完全にTC-TCラリーが採用される事が
      決定したようです。よかった。
      エントラントもそうですが、オーガナイザーもきっちり
      覚えなくては混乱するかも知れません。
      単に「6条ラリー」ですら分かってなかったりしますから。
      PDの1月号にRTCラリーと書いてある記事があったんで
      てっきりRTCに修行に来たんか?と思ったら全然関係
      無かった。
      WRC形式ラリーの体験記事みたいだが・・・はあ?・・・
      って感じかな。
      かなり無理があるし、説明もなんかねえ・・誰が書いたん?
      PDが掲載するのも・・・このレベルか・・・・
      こりゃ、先が思いやられるなあ・・・。
      PDの編集者自体が説明きっかりする方がええんで
      ないべか・・・ちゃんと理解してるならだけど・・・。
      WRカーなんかの上っ面記事しか書けないんかな?
      んなRTCよっか、帯広のRTCラリーに来た方がなんぼか
      勉強になるんでないの?
      なんてね。2005.12.24ef
 
   「ラリーの全てはTCである」と言ったFIAの言葉が今素直に
   納得できるようになった。