メーカーに潰された全日本
 ここで述べる事は関係者は「有り得ない」と言うだろうが、ワシは読みが
  間違っていないと思っている。
 あくまで個人的な意見(殆どそれだが)であると聞き流して欲しい。
 それでないと、何も語れないからだ。

 ☆突然の申請却下

  元々冬の全日本には反対派がいた。無論本州の方々であろうことは予想がつく。
  冬の1戦だけの為にラリースタッドレスを開発する事はメーカーとしても大変
  だった事だろう。
  エントラントしか経験の無い選手達であるから、裏でどんな苦労があるのかは
  興味の外であるんだろうな。彼等の言うラリー界ってのは走る人間とメーカー
  しかないのであるから、考え方も全般的に幼稚である。
  で、タイヤメーカーも冬の全日本を潰しにかかった。

  当初は訳が分からなかった。前年に某有名選手が自分のルール無視への
  判定を不服としてJAFに上告していたが、却下されたと言ういきさつはあったが、
  それはラリー開催に落ち度があった訳ではない。
  だから問題外なはずだが、これも一役買っていたかも知れないとは思われた。

  申請却下の理由としてJAFから回答が来た。

     1.走行順による有利・不利を防ぐため、路面状態の変化が少ないコースが
   選定されている事。(スタッドレスタイヤの特性を考慮に入れ、圧雪路面が
   最終号車まで持続される事が望まれる)
  2.安全性確保のため、原則として車両のすれ違いが可能な復員を有する
   コースが選定されていること。(幅員が不十分な場合、緊急時の車両の
   走行が困難である事に加え、車両がスタックした際に後続車両が停止を
   余儀なくされ、当該SSをキャンセルしたり例外的な再走処置を講じたり
   する必要が生じ、円滑な競技進行に支障をきたすおそれがある)
  
  と言うものだった。

  天候にも左右される雪路に対して、屋根付きのドームでやりなさいと
  言っているのである。まして、圧雪路面が最終号車まで変わらない
  雪路って、この世に存在しないだろう。
  反対するには何でも在りと言う事である。きっと、圧雪でしか効かない
  タイヤしか開発できなかったメーカーの論理かも知れない。

  路面の変化については冬だけにあらず。グラベルラリーにもつきものであり
  1番目は砂利カキ、5,6番くらいが美味しいのはWRCとて同じである。
  途中で雨にたたられる者がいたり、夕暮れになってしまう競技車もあるし、
  あるコーナーは後半選手には深いワダチであったりするだろう。
  ターマックでもない限り、言ってる事は的を得ないし、ラリー関係者の
  言葉とも思えない。
  ターマックとて、途中で雨が降ったら同じ路面を維持してる「とはいえない。
  極端に言えばそう言う事である。ナンセンス。お馬鹿な回答。零点。

  車両が2台容易にすれ違える林道はなかなか無い。そこは止められた者は
  再走させる形でイーブンを保ってきたし、前年のイチャモンはルールを無視した
  某選手が悪い事はJAFも認めたはず。
  すら、砂川でも使えばOKかと・・・しかし、前の路面イーブン自体が有り得ない
  から、結局冬は試合が出来ないと言う結論になる訳である。

  ハッキリ言って夏も出来ないはずである。路面をイーブンに保てる林道だけしか
  つかっていないグラベルラリーって何処で開催されているのだろうか??
  まして、他の全日本はスーパー林道(幅員10m)で開催してるんだろうか?
  WRCのコースですら、この理屈からすると開催不能であるのだがね・・。

  これをイチャモンと呼ばずになんと言うのか?
  これがJAFの回答だから、これを裁定した委員達の程度の低さにあきれた。
  しかし、紛れも無くJAFの回答であり、開催する事は不可能となった。
  初めに結論ありき、と言うどこにでもあるイヤがらせそのものだ。

  なんで、こんな稚拙な理由をつけて来たのかと思っていたが、結局そこは
  ラリーチャンピオンを狙ってる方のスポンサーが力で捻じ伏せたのである。
  お抱えドライバーを勝たせるタイヤが開発できなかった腹いせなのかどうかは
  知らないが、そこの市販タイヤはワシは選ばなかった事は確かである。
  元々販売数からしても全体ではゴミみたいな数である上、他メーカーに
  負け続けではメリット皆無と判断したんだろうなあ。
  自分の選手だけじゃあ無く「試合をなくせ」となったのだろう。
  2試合あった冬の全日本もこの時は1試合だけだったしね。

  JAFに乞われて開催した冬の全日本戦には、多大な努力を背負わされて来た。
  ワシもその中でへいこらやっていた訳だ。
  猛吹雪の中を半分命がけで道の状況を見に行ったり、車をボコボコにしながら
  走り回っていたものだ。開催当日より、開催にこぎつけるのが一番大変だった。
  無論現在WRCを開催している某有名クラブの完全バックアップ無しには有り得ない
  事であるし、名称はEZOであっても中身は実質某有名クラブ主催であった。
  吹雪の中で通過確認に数時間立たされたポストを一度でも経験した人間なら
  間単に潰せなんぞと言えない程大変なオーガナイズだったし、それの開催の
  為に巨額の除雪費を捻出する苦労もあった。
  我がクラブは他の競技で赤字分を穴埋めする形をとりながらも、紳士に開催を
  続けていたのであるが・・。
  所詮オーガナイズの苦労である。メーカーからバックアップをうけてラリー商売
  の方々には関係ない苦労であったろうな。
  ホント、今考えりゃ、こんな奴等の為になんであんなにハッチャキに頑張って
  いたのか不思議でならん。

 ☆ラリー開催は簡単に潰せる

   一部の有力選手のスポンサー(巨大である)が、ラリーを潰せるのか?
   それは、簡単である。
   そもそもラリークラブ自体が、非営利団体の弱小集団でしかない。
   地域で集まった「趣味の仲間」が作っているのがクラブである。
   よほど影響力を強く持たない限り、スポンサーどころか、本来であれば
   支持するはずのJAFでさえ、比較的簡単に試合を潰せるのである。

   実際に冬に関しては、その前から潰そうとする動きがあって、JAFを
   牛耳っていたかつての「権力おばけ」が無理難題をふっかけて来た
   事もあるし、事ある毎にクレームを上げてたエントラントもいた。
   しかし「稚拙」なものなので、押さえられたし質問を上げると答え
   られないと言う程度のものばかりだった。

   開催しているならまだしも、申請を却下と言う手段は実に適切な
   手段ではある。
   その理由がイチャモンであっても、JAFの下のクラブである。
   JAFが許可しないのだから、最早打つ手はないのである。
   「権力おばけ」がいなくなって、JAFは大きく変わるのだと期待があった。
   しかし、流石メーカー色の濃い方である。ちょこっと変えただけで、煮えきらず
   結局ラリー自体の変革は将来に持ち越された形にしかならなかった。
   メーカーが咳をすればJAFもくしゃみをするのである。

   
 
 
使える車って何があるのか?
 

  ☆使える車はあるのか?

   INTERが初めて開催され、APRCが開催され、ついにWRCまで開催された。
   そうして今、いかにJAFの規定が世界とズレているのかが問われる事に
   なった。
   2WDと4WDを分けたまま、手立てを何も打たない内に、時代は
   「モータースポーツをする」時代から「モータースポーツを見る」時代となり、
   メーカーの思惑通りに戦闘力があって使える車は次々に無くなって
   行ったが、別世界の事と言う事で誰も何も気にしなかった。
   あの時明確に世界の流れに乗っていたら、こんな悲惨な状況には
   なっていなかったのではないかと考えるが、もう遅い。

   時代はラリーと言う宣伝媒体を必要とする時代からは置いていかれた
   格好である。メーカーにとってMT車は最早必要の無い車である。
   三菱とスバル以外でラリーに使えるMT車を作っているのはスズキと
   ダイハツだけである。
   かわいそうだが、これからラリーを目指すビギナーに新車で買える車と
   言ったらランサーEVO、インプレッサSTI、スイフトS、ブーンX4くらいで
   他に戦闘力がある車は「無い」。それが現実だ。
   トヨタセリカがチャレンジで走っているのだが、チャンピオンで走らせた
   場合の戦闘力は不明である。
   旧車で使えるのは大改造お手製ミラージュ4WD、シビックtypeR、
   ストーリアX4と言う事になる。
   全日本を考えなければランサーNA、インプレッサNAと言うカタログには
   無いターボ外しバージョンもあるが、初心者には辛い価格となる。

   かつて軽ではススキワークスとスバルビビオと言う選択指があったし、
   現在の1400cc以下と言うカテゴリーではスズキカルタスやホンダ
   シティがあった。更にスターレットSと言う使い易い車も存在した。
   しかし、当時は1000cc以下、1600cc以下の条件から、それらは
   ラリーでは戦闘力が不足していた。
   ワシはカルタスGTIの4WDを持ち込んだものだが、1600ccの敵では
   なかった。

   あまり古いとホモロゲの問題が出て来る。JAFの登録が残っていなくては
   エントリー自体が出来ないのである。
   ビビオは平成10年くらいまで作っていたので、まだ数年走れるはずである。
   しかし、古い車は部品調達が難しい面もある。

   Vitzについては、ハッキリ言って他車に比べて戦闘力は無いに等しい。
   1200ccならまだしも1000ccではお話しにならない。
   だからVitzはワンメークでしかラリーにならないんである。
   こんな遅い車は昔々のシャレード以来乗った事が無い。

   マーチ1200のレース仕様車はN1規定の為に車検を取るには甚だ難しい
   と聞いた。昔のようにマーチRでも出してくれれば有難いが、ターボ係数
   1.7ではニッサンに対応するエンジンが無いから夢物語だろうし、
   最早ニッサンはラリーに興味が無い。

   スターレットターボはターボ係数1.7では2000ccを楽に越えるので
   却下となってしまう。
   もしスタ・ターを使えるカテゴリーを作るとすれば2000cc以下から
   せめて2500cc以下とか3000cc以下のクラス分けにする必要がある。
   但し、そうなるとS2200や2300ccのアクセラなどが出て来ても
   戦えるのか?と言う疑問も出て来るのだが面白いとは思う。

   2駆4駆の区別が無いから、ちょっと元気の良い車は何でも持ち込め
   そうであるが、全部が全部JAFのホモロゲがある訳でもないし
   オートマだって構わない訳であるが・・・どうなんだろう。
   なにせ、MT自体が殆どの車に設定されていないんだしね。

   ターマックが来年から2戦あるので、冬も遊べるからMR-Sなんか
   ロールケージをがっちりして屋根を固定させたら面白いんじゃ
   ないかと思うのだが、どうなんでしょう?
   ワシ、昔みたいに仕事があってお金が入るんならMR-Sを作って
   遊んでみたいクチだな。S2000は高価だかんね。同じオープン
   なら・・・って感じかな。

   1日コペンを借りたけど、あのスーパーコペンなら戦闘力あるって
   思ったが、ありゃあ普通じゃないんだろうからストーリアの方が
   使い勝手も考えると正解か・・・。

   戦績を考えなきゃ、結構色々まだ遊べる車もあるような気がする。
   速く走ってナンボの世界だけど、走らない車に鞭打って、腕で
   そこそこまで行くのもまた楽しみだと思う。
   今の若者って、そんな楽しみ方を好まないんだろか?
   ワシ、シャレードもカルタスも誰も乗ってなかった車だったし、
   ストーリアも誰も持ち込んでいなかった車だった。
   カルタスもストーリアも散々苦労したし、今回もVitzって言う
   誰も持ち込まない車で走っている。
   挑戦と言う意味では結構挑戦してるんだよな、ワシ。
   ビビオもRAの最初だったしなあ・・。

   走って楽しめるのは決してスーパーカーだけじゃ無いと思うがな。
   取りとめも無い話でスマンが、そこんとこヨロシク ¥(^o^)/